離婚日記~夫婦を続けるためには

50代女子。離婚を決めました。どんなふうになっていくのかわからないから・・その道のりを綴ってみようと思います。

交渉

俺様には毎月所定の給与の他に、自身で起業もしてるのでその収入もある。

給与の額は把握しているが、別口の収入は私には知らされていない。

このシステムこそが、私たち夫婦の脆弱性の原点だということに私自身はとっくに気づいてはいたが、やめることもやめさせることもできなかった。

どんな家庭でも、お金の出入りが統一されている方が望ましいはず。

私たち夫婦がその望ましい形ではなくなった流れについては、またゆっくり記していこうと思う。

 

我が家は事情があり、学資保険を大学費用以外のものに流用してしまったため、月々20万円近くをふたりの子の私立大学費用に充てている。

それ以外の生活費や住宅ローンなどもすべて俺様の給与口座から私が引き出している。

さて、親子3人で暮らすことになったとしたら、毎月いくらのお金が必要なのだろうか。

まずは学費。20万円。

それから家賃。きっと13万円ほど。

そして光熱費、保険料、食費、日用雑貨代、子どもの定期代・・

ざっくりと月に60万円近くは必要じゃないか?

私ががんばって働いて、10万円。

残り50万円を俺様が負担してくれるだろうか・・

ひとくくりに「50万円ちょうだい」と、どんと言うのは避けたほうがいい。

あまりにも高額だから。

学費と生活費を分けて交渉しよう。

学費はあと1年半でひとり分、3年半ですべての負担がなくなる。

それ以外の30万円だって、子どもたちが就職するまでの期間限定だと強調すれば、出してもらいやすいはずだ。

50万円なら給料内ではあるし、別口の収入が毎月あるのだから、うまく交渉すれば何とかなるかも。

よし・・!

 

「お父さん、話があるんだけど・・」

終戦記念日から2日目の夜、交渉を切り出した。

娘も一緒にいる。

俺様は静かに返事をした。

怒っていない時はこうして普通に話ができるが、いつ豹変するかはわからない。

「私ひとりが出ていくには、皆がリスクを背負い過ぎると思うんだよね」

俺様も頷く。

「だから私と子どもの3人で出て行こうと思っているんだけど・・」

それは仕方がないと俺様。

子どもの面倒まで見る気がないのはずっと以前からわかっていたこと。

俺様は、子どもや私のために自分が無理をすることは一切ない。

でも子どもの送迎にはかなり協力的ではあった。

朝は自分の出発時間が合えば駅まで送るし、夜遅い時も迎えに行くことはしょっちゅう。

送迎は俺様にとってはあまり苦ではないらしい。

でも、それに変化球が加わると途端に機嫌が悪くなる。

例えば雪が降ったり、祭りで道路に規制が入ったりした場合。

自分にとって無理がない範囲内では協力するが、少しでも無理を感じた時点で不快感を露わにする。

会社においても、家族の中でも。

自分にとって大事な仕事の場合のみは、やっとの思いで無理をすることに耐えられるようだ。

だからちょっとの無理をして家族が喜ぶ顔とか、無理なことは拒んで家族が悲しむ顔とか、そんなのは俺様にとってはどうでもいい部類。

だいいち、家族の感情には気づきもしないし気づこうともしない。

 

「3人で出ていくにはそれなりにお金がかるんだよね・・」

俺様は数字のこと、特にお金のことには、私の数倍も頭の回転が速くなる。

「子どもの学費と生活費の仕送りはしてもらえるよね?」

俺様は頷く。

「生活費だけで35万円くらいはどうしても必要なんだけど、出してもらえるかな・・?」

5万円上乗せした。

「そうか・・お前への慰謝料もあるしなあ」

「え?意外!私への慰謝料も考えてくれるの?」

これは期待できるかも。

「毎月35万か・・。家賃がかかるし、仕方ないだろうなあ・・」

どのあたりに住んで、どのくらいの家賃なのかを話した。

一緒に聞いていた娘が念を押す。

「その他に学費だよ、お父さん!」

え?という俺様。

「そんなには無理さあ・・全部で55万じゃないか。かんべんしてくれよ~」

ヤバい!

「学費だけで20万円必要だから、残り15万円じゃあ家賃だけで無くなっちゃうよ。55万なら普通に給与内で出せる金額じゃない!」

「そんなに払ったら、俺の生活費がわずかじゃないか!」

「お父さんには私には金額がわからないけど、別の収入があるじゃん!」

「あれは流動的だから毎月あるかはわからないし」

え~全部で35万円じゃあ、暮らせないよ・・

「勘弁してくれよ~どこのどいつが、別れて何にも関係ないヤツに55万もの金を出さなくちゃいけないんだよ~」

俺様が冷たく吐き出すように言う。

なんとかあと10万円!と交渉はしたが、ダメだった。

俺様が今まで私にしてきたことや今の収入を考えれば、55万円もらって当然と簡単に考えて話をしたが、やっぱりどこかで私が欲深く、無理なことを言ってるんだろうな~ということはわかってはいた。

引き下がるしかない。

あとで、娘に怒られた。

もう少しうまい交渉の仕方があったんじゃないかと。

でも俺様が簡単になんでも裏切ることができる人だということも、娘は知っている。

仮にこの時の交渉がうまくいって、意気揚々と引越しをしたとしても、数カ月後に3人の生活が破たんする可能性のほうがもしかしたら高い。

娘もそれは想像ができている。

人のお金に頼るということは、そういうこと。

現に俺様も言っていた。

学費だけは払ってほしいと念を押す娘に、そういうつもりでは今はいるが、払えなくなる状況も今後あり得るからと。

そういうところが俺様だ。

何に対しても、何がなんでもやってやるからという気概は無い。

どんなことでもどうなるかはわからないと付け加えておく。

ズルい人種。

 

そうこうしているうちに息子がバイトから帰ってくる。

お金の交渉はダメだった。

俺様のお金をあてにして、今この家を出て3人で生活することは無理になった。

離婚したままここにとどまるという振出しに、話は戻る。

ん?そもそもなんで今離婚するんだっけ?

子どもが卒業した3年半後でいいんじゃないのか?

もう、なんだかわからなくなってきた。

 

今すぐ出ていくことが不可能になって、私は俺様への恨み辛み攻撃を始めた。