離婚日記~夫婦を続けるためには

50代女子。離婚を決めました。どんなふうになっていくのかわからないから・・その道のりを綴ってみようと思います。

訴え

だいたい、私は俺様に何を望んでいるのか。

この一連の騒動の始まりだった、エアコンの温度設定でのひと悶着。

そのときに離婚の文字がはじめて自分に降りてきて、子どもたちにもそれを話した。

子どもたちはずっと前から私に離婚することを勧めている。

特に息子は。

息子は、俺様が暴れた後の片づけをしている私を見るのが辛いらしく、一度俺様に「自分でやったものくらい自分で片付けろよ!」と言ったことがある。

「なんでお母さんがやるんだ・・」

こんなふうに子どもに言わせる、思わせることを私自身はとても恥ずかしい。

こんな親で申し訳ないと思う。

そしてたぶん俺様には、これっぽっちもそんな気持ちはない。

 

あのエアコンの温度設定騒動の数日後に、息子に聞かれた。

朝食をふたりでとっていた。

「で、お母さん、離婚はどうするの・・?」

「う~ん・・したいのはやまやまなんだけどねえ。でもさ、新しい生活をする勇気もイマイチないんだよね。ましてや再婚なんてさ、またどんな不幸が待ってるかわかんないし。だったら、慣れている我慢の方がいいのかなって・・」

「それじゃあ、なんも変わんないじゃないか」

「変わらなくてもいいかなあって。とりあえず今我慢できるんだから・・あ、でもねえ、本当はひとりがいいんだよねえ。同じ空間で、じっとソファーに座ってテレビを見続けてるあの姿を見なくちゃいけないのが、ほんとイヤ!もしかしたらあの時間が一番イヤかも」

それで息子に聞かれた。

「じゃあお母さんはさ、ソファーに座ってるお父さんにどうしてもらいたいの?」

そうか、どうしてもらいたいんだろう・・

「そうだね・・いっしょに台所に立ってほしいのかなあ・・」

息子はたまに、私と一緒に台所に立ってくれる。

炒め物を気にしながら、洗い物を同時にしているときなど、すっと来ては炒め物を菜箸でかき混ぜてくれたりする。

そのちょっとした手助けに、ものすごい幸せを感じる。

この空間で一緒にいてくれて、たわいもない話をしながら私が料理を作る。

そういうシチュエーションを、ずっと前から望んでいる自分がいた。

息子に話すと「なるほどね・・」と納得していた。

でも今となってはもう、台所に一緒に立ってもらうだけではっきり言ってウザイと思うだろう。

あっちに行ってよ!って心で叫ぶだろう。

ソファーに座っている姿は気持ちが悪くなるほど見たくないけれど。

本当は、見えないようにロールスクリーンやつい立てで仕切りたい。

そうすれば見えないというだけで、気持ちも楽になる。

息子とこんな会話をした朝。

その日が終戦記念日だった。

そしてその日の夜に今回の騒動があった。

朝は息子に、我慢してこの生活を続けると言ったのに。

夜にはこんなことになってる。

ジェットコースターのような生活だよね。

とても50代の夫婦の家庭とは思えない・・

 

お金の援助の交渉が決裂した後、私の思いを俺様に訴えた。

これはいつものパターン。

私が泣きながら最後は訴える。

わかって、わかってと。

実際、何をわかってほしいのか。

でも俺様には私の気持ちは届かない。

俺様自身は離婚なんて考えることもなければ、罪の意識もない。

俺様は、なんでこんなふうに離婚を迫られるのか、お金お金と迫られるのか、自分が何を悪いことしてるのか、それがわからないと主張する。

だいだい、お決まりのパターン。

結局、なにも響かないとあきらめておしまいにする。

でも今回は、子どもたちも同じ場所に居て、ふたりの話を聞いていた。

私も泣いてなんかいなかった。

とても冷静だった。

今まで口にしたことのない私の心情を、きちんと言葉にした。

「私はね、お父さんがひとこと、たったひとこと、いろいろ悪かったなって言ってくれれば、それで救わるんだよ。そうすれば離婚なんて考えないんだよ」

これだった。

わかってほしいのはこの一点でこれを私はずっと言いたかった。

「ひとこと私に謝ってくれるだけで、私は楽になれる・・」

そう言った私に俺様は―

「なんで俺が謝るんだよ。何を悪いことしてんだよ、この俺が」

・・・やっぱりね。いつもそう。

この人は自分以外の感情には一切目を向けない。

何を訴えても、「俺には理解ができない」と言う。

わかっていた。今回もそうだった。

空振っても空振っても。

疲れるだけの時間だとわかっていても。

でもやっぱり訴える。

無理だとわかっていることをなぜ訴えるんだろうか・・

愛情を注いでほしいわけじゃない。いまさら。

俺様と一生寄り添って過ごしたいのかといえば、そうじゃない。

俺様との老後の未来予想図は私にはない。

だとすれば、訴えてどうするの?

くたびれるだけじゃない・・

 

そんな自問自答を心の中で繰り返していると―

娘が静かに口を開いた。

「ずっとお父さんには我慢をさせられてきた!」

娘も本音をぶつけてきた。